- 人員不足で公休を削って出勤…この働き方、いつまで続くんだろう
- 朝7時前の欠勤連絡、休日のクレーム対応。休みの日も携帯が手放せない
- 薬剤師から異業種に移りたいけど、年収が下がらないか不安…
新卒で大手ドラッグストアに入社し、2年目で管理薬剤師、5年目からエリアマネージャーを務めたKさん。
人員不足による残業は月60〜80時間。欠勤が出ても補充はなく、最終的には自分の公休を削って店舗に立つ日々が続きました。
この記事では、大手ドラッグストアから人材紹介会社へ転職し、現在は医療法人社団のマネージャーとして働くKさんにインタビューし、そのリアルな体験談をまとめました。
1回目は応募13社・面接10社・内定3社。2回目は応募2社・面接2社・内定2社。
薬剤師免許を「資格」ではなく「経験」として活かす異業種転職のリアルと、2回の転職で働き方がどう変わったのかを、包み隠さず話してくれました。
この記事を読むことで、薬剤師が業界を飛び出すときの現実的な進め方と、後悔しないための準備がわかります。
転職エージェントは自分のタイプ・目的別で選ぶことで成功に近づきます。以下にまとめましたので参考にしてください。
大手ドラッグストアから人材紹介会社へ転職した体験者プロフィール
体験者プロフィール

30代薬剤師 Kさん(薬剤師歴8年〜)
- 大手ドラッグストア(調剤併設)8年 ※新卒入社
- 2年目から管理薬剤師、5年目からエリアマネージャーを経験
- 人材紹介会社(法人営業・キャリア面談・面接対策)
- 医療法人社団 マネージャー ※現職
- 転職回数:2回(いずれも正社員→正社員)
- 年収推移:650万円 →(1回目)650万円 →(2回目)600万円
- 残業時間:月60〜80時間 → 月60〜80時間 → ほぼゼロ
- 転職活動期間:約2ヶ月(1回目)
Q. 一言でいうと、どんな転職でしたか?
「薬剤師免許」ではなく「薬剤師の経験」で勝負した転職です。
公休を削って出勤するドラッグストアのエリアマネージャーから、土日祝休みが固定の人材紹介会社へ移りました。
1回目の転職満足度は4/5。年収は650万円で横ばいでしたが、休日が確実に取れるようになり、体調を整えやすくなりました。
その後、残業の多さを理由に医療法人社団へ転職。こちらは満足度5/5で、今の働き方に落ち着いています。

管理薬剤師からエリアマネージャーまで務めた人が、年収を落とさずに異業種へ。しかも2回目でようやく理想の働き方にたどり着いてる。「転職は1回で完璧を狙わなくていい」って教えてくれる体験談だよ。
転職を考えたきっかけ
Q. 転職を考えたきっかけを教えてください
人員不足による残業が慢性化していたことです。残業は月60〜80時間ほどありました。
さらに、スタッフの欠勤が発生しても補充の人員が回ってくることはなく、最終的には自分の公休を削って出勤せざるを得ない状況になっていました。
「穴が空いたら自分が埋めるしかない」状態が続き、心身ともに疲弊してしまったことが転職を考えたきっかけです。
Q. 転職前につらかったことはありましたか?
一番つらかったのは、改善に向けた提案がまったく通らないことでした。
人員配置を決める会議では、具体的な数値を根拠に提案をしても「他のエリアのほうが大変そうだから」といった感情論で結論が決まってしまうことが多かったです。
解決に向かう気配が感じられず、この先も同じことが繰り返されるのだろうと思ったとき、環境そのものを変えるしかないと感じました。
休日の過ごし方もつらかったです。朝7時前に体調不良による欠勤連絡が入り、そこから人員調整。
日中は店舗で起きたクレームの報告が入り、その対応に追われる。
休みの日でも常に携帯を気にしていなければならず、気持ちが休まる日がありませんでした。
Q. 転職を迷った理由(不安)はありましたか?
これまで築いてきた人間関係がなくなることへの不安がありました。
もう一つは年収です。
8年間で管理薬剤師・エリアマネージャーと積み上げてきた分、異業種に移って年収が保証されるのかどうかが読めず、そこが一番の迷いどころでした。
Q. なぜ「別のドラッグストア」ではなく「人材紹介会社」を選んだのですか?
ドラッグストア勤務時にマネジメント業務まで一通り経験したことで、他のことにもチャレンジしてみたいという気持ちが大きくなっていたからです。
同じ業界で会社だけを変えても、やること自体は変わりません。それなら業界ごと変えてチャレンジしてみようと考え、人材紹介会社を選びました。
決め手は3つあります。
自分がリクルーターとして採用に関わった経験を活かせること、法人への営業経験を活かせること、そしてインセンティブ制度があり、自分の頑張り次第で給与の幅が広がることです。

「同じ業界で会社だけ変えても、しんどさの種類は変わらない」——これ、転職を考えるときにめちゃくちゃ大事な視点。Kさんは自分の経験の棚卸しができてたから、異業種でも戦えたんだね。
転職活動の実際
Q. 転職エージェント・サービスは何を使いましたか?
マイナビ薬剤師に加えて、薬剤師特化ではない総合型の転職エージェントを複数併用しました。
薬剤師の求人を見るためのエージェントと、異業種の求人を見るためのエージェント。目的で使い分けていたイメージです。
結果的に転職先が決まったのは総合型のエージェント経由でしたが、薬剤師として残る選択肢も並行して検討できたのは大きかったです。
Q. エージェントを使ってよかった点・微妙だった点は?
よかった点は、求人の比較がしやすかったことです。
それに加えて、応募先で実際にされる質問の内容まで具体的に教えてもらえたのは助かりました。おかげで面接前の不安がかなり減りました。
微妙だった点は、担当者によって進め方に差があったことです。
希望と違う求人を勧められることもありましたし、こちらが承諾していないのに書類選考に出されていた、ということもありました。
複数のエージェントを使っていたおかげで「この担当者は合わないな」と思ったときに他で進められたので、併用しておいてよかったと思います。

承諾なしで書類を出されるのは、正直アウト。でも複数登録しておけば「合わない担当者」に当たっても活動が止まらないんだよね。エージェントは1社に絞らない、が鉄則!
Q. 転職活動で一番大変だったことは?
志望動機をつくることです。
「なぜ他社ではなくこの企業なのか」という理由を絞り出すのに、一番時間を使いました。
業界を変える転職だったので、業界を志望する理由は語れても、その中の一社を選ぶ理由まで落とし込むのが難しかったです。
Q. 書類づくりで苦労したこと・工夫したことは?
自己PRは一つに絞らず、何パターンか作成しました。
志望する企業ごとに、マネジメント経験を前面に出すのか、営業経験を前面に出すのかを使い分けて対応するようにしていました。
同じ8年間の経験でも、切り取り方を変えるだけで刺さり方が変わります。書類の通過率を上げるうえで、これは効果があったと感じています。
Q. 面接で苦労したこと・工夫したことは?
質問の意図が読み取れない企業があったことです。
どこまで正直に答えるべきなのか、その場で判断に迷う場面が何度かありました。
Q. 応募した求人数と、面接した社数は?
1回目の転職は、応募13社・面接10社・内定3社でした。
転職活動にかかった期間は、開始から内定までおよそ2ヶ月です。
Q. 面接で聞かれた質問や印象に残った出来事は?
「人員が増えないことに対して、自分に非は全くないと言えますか? 言えるのであれば、その理由まで教えてください」という質問です。
圧迫のつもりなのか、本当に思考のプロセスを見たいのか、意図が読み切れませんでした。
正直に答えれば前職批判に聞こえてしまうかもしれない。かといって自分の非を認めすぎると、マネジメント能力そのものを疑われるかもしれない。
どこまで踏み込むべきか、かなり戸惑った質問でした。
Q. 転職先を決めた「決定打」は?
面接での雰囲気が良かったことです。
もう一つは、今まで経験してこなかった業務にチャレンジできること。自分のスキルアップにつながると感じ、ここに決めました。
ちなみに転職先選びで絶対に妥協しなかった条件は、公休数と、休みの日に連絡が来ないこと。この2つだけは譲りませんでした。

「絶対に妥協しない条件を2つだけ決める」——これ、転職の軸としてすごくいい。全部を叶えようとすると最後まで決めきれなくなるから、Kさんみたいに数を絞るのが正解だよ。
転職後の変化
Q. 年収はどう変わりましたか?
650万円のまま、横ばいでした。
異業種への転職では年収が下がるケースも多いと聞いていたので、維持できたのは正直ほっとしました。
インセンティブ制度があったため、成果次第では上を狙える環境でもありました。
Q. 人材紹介会社での仕事内容を教えてください
主な業務は、法人営業・契約・キャリア面談・面接対策の4つです。
求職者側と企業側の両方に関わるポジションでした。
Q. 転職後、実際に変わったことは?
休日が確実に取れるようになりました。
しかも土日祝休みで固定になったため、生活リズムが安定し、体調を整えやすくなりました。
シフト制で日曜も祝日も動いていた頃と比べると、予定の立てやすさがまったく違います。
Q. 1日の流れはどう変わりましたか?
正直なところ、1日の流れ自体に大きな変化はありませんでした。
変わったのは、私服出勤だったのがスーツになったことくらいです。
残業も月60〜80時間ほどあり、そこは前職と変わりませんでした。ここが、のちの2回目の転職につながっていきます。
Q. 転職して「良かった!」と思った瞬間は?
休みの日に呼び出されることも、連絡が来ることもなくなったことです。
前職では朝7時前に欠勤連絡が入り、そこから人員調整に追われることが当たり前でした。
常に携帯を気にしておく必要がなくなった。この一点だけでも、転職してよかったと思えました。
Q. 転職後に感じたギャップはありましたか?
実力主義だと聞いていたので、自分が獲ってきた営業先は自分の担当になるものだと思っていました。
実際には、上司の判断で担当先が強制的に振り分けられることがありました。
「頑張った分が自分に返ってくる」と思って選んだ環境だっただけに、ここは想定外でした。
Q. 「こうしておけばよかった」と感じた反省点は?
転職エージェントへの相談を、もっと早くしておけばよかったと感じています。
相談したからといって、すぐ転職しなければいけないわけではありません。もっと軽い気持ちで動き出してよかったと思います。
もう一つは職場見学です。申し出があれば実際に職場を見学できたようで、見ておくべきだったと後から知りました。

「休みの日に携帯を気にしなくてよくなった」——これ、経験した人にしか分からない解放感だと思う。一方で残業は変わらなかった。だからこそKさんは2回目に動くんだよね。
薬剤師から人材紹介会社へ転職するリアルQ&A
Q. 薬剤師免許は人材紹介会社でどう活きましたか?
「薬剤師免許を活かす」というより、「薬剤師としての経験を活かす」という形でした。
薬剤師時代に現場で経験してきたことを、法人への営業時や採用提案、キャリア面談、業務整理の場面で活かしていました。
現場を知っている人間が話すかどうかで、相手の受け取り方はまったく変わります。免許そのものより、現場感覚のほうが武器になりました。
Q. 担当していたのは薬剤師の人材紹介がメインでしたか?
基本的には、薬剤師資格を持った方をメインに担当していました。
紹介先は薬局だけではなく、製薬会社や、薬剤師資格を必須とする企業なども含まれていました。
Q. 振り返って、異業種転職に成功できた一番の理由は何ですか?
自分の経験を「薬剤師の経験」ではなく「マネジメントと営業の経験」として翻訳できたことだと思います。
8年間で管理薬剤師・エリアマネージャーを経験し、人員配置や店舗運営、採用にも関わってきました。
それを薬剤師の言葉のままで語っても、異業種の面接官には伝わりません。相手の業界の言葉に置き換えて話すことを意識しました。

免許じゃなくて経験を売る。異業種に出るとき、ここを間違えると「薬剤師さんですね」で終わっちゃう。Kさんの”翻訳力”、めちゃくちゃ参考になるよ。
2回目の転職——人材紹介会社から医療法人社団へ
Q. 2回目の転職を決めたきっかけは?
一番の理由は残業時間の多さです。
人材紹介会社でも月60〜80時間ほど残業があり、休日は取れても平日の負担は前職と変わりませんでした。
もう一つは、自分が獲ってきた営業先を、売上が立っていない人へ上司の独断で割り振られたことです。
実力主義だと思って飛び込んだ環境でこれが起きたとき、ここで頑張り続ける理由がなくなったと感じました。
Q. 応募社数・面接社数・内定社数は?
2回目は応募2社・面接2社・内定2社でした。
1回目に13社応募していたことを考えると、まったく違う動き方です。
一度転職を経験して、自分が何を優先したいのかがはっきりしていたことが大きかったと思います。
Q. 年収と働き方はどう変わりましたか?
年収は650万円から600万円になりました。
一方で、残業はほぼゼロになりました。
50万円の減額をどう見るかですが、月60〜80時間の残業がなくなったことを考えれば、時間単価はむしろ上がっています。
Q. 現在の仕事内容を教えてください
現在は自宅近くの医療法人社団で、クリニックのマネジメント業務を担当しています。役職はマネージャーです。
ここでも、薬剤師時代の現場経験、ドラッグストアでのマネジメント経験、人材紹介会社での採用・面談の経験が、そのまま活きています。
Q. 2回目の転職の満足度は?
5段階中5です。
1回目で休日を、2回目で残業を解消できました。2回に分けて、ようやく理想に近い働き方にたどり着いた形です。

1回目で休日、2回目で残業。1回で全部を解決しようとせず、段階的に理想へ近づけたのがKさんのうまいところ。転職は「やり直し」じゃなくて「積み上げ」だね。
転職前後で大事なポイント&これから転職する人へ
退職時に大事なこと
引き止めがかなり強くあることを、あらかじめ想定しておくことです。
条件の改善を提示されたり、情に訴えられたりすることもあります。
大切なのは、感情に流されず強い意志を持つこと。
引き止めで待遇が改善されるなら、なぜ在籍中に改善されなかったのか——そこを一度冷静に考えてみてください。
入社3ヶ月で大事なこと
分からないことを、遠慮せずに質問することです。
中途採用は「できる前提」で見られやすく、新卒のようにじっくり時間を割いてもらえるわけではありません。
聞けるうちに聞いておく。遠慮した分だけ、後で自分が困ることになります。
薬剤師が転職で失敗しないためのポイント
見学ができるのであれば、複数日にわたって見学することをおすすめします。
1日だけでは、たまたま忙しい日・たまたま穏やかな日に当たってしまう可能性があります。
日を変えて2回、3回と見ることで、その職場の平均値が見えてきます。
転職前にやっておくべき「情報収集」は?
職場見学です。私は、申し出があれば見学できたことを転職した後に知りました。
求人票と面接だけで判断するより、実際に働く場所を見たほうが情報量は圧倒的に多いです。
エージェント経由で「見学は可能ですか」と聞くだけなので、遠慮せず確認してみてください。
これから転職を考えている人へ
「辛いかもな」と思った時点で、一度軽い気持ちでエージェントに相談してみてほしいです。
相談すること自体が、今の勤め先を客観的に判断する材料になります。市場から見て自分の条件がどうなのか、それを知るだけでも意味があります。
転職前の自分にアドバイスするなら、「もっと早く、複数のエージェントに相談しておいて」の一言です。
怖がらずに、軽い気持ちで相談してみてください。
- 同じ業界で会社だけ変えても、しんどさの種類は変わらない——業界ごと変える選択肢を持つ
- 免許ではなく「経験」を売る——マネジメント・営業経験を、相手の業界の言葉に翻訳する
- 自己PRは複数パターン用意し、企業ごとに使い分ける
- 絶対に妥協しない条件を2つだけ決める——Kさんは「公休数」と「休日に連絡が来ないこと」
- エージェントは1社に絞らない——合わない担当者に当たっても活動が止まらない
- 転職は1回で完璧を狙わなくていい——1回目で休日、2回目で残業を解消
- 引き止めは必ずあると想定しておく——感情に流されず強い意志を持つ

月60〜80時間の残業と、削られていく公休。そこから2回の転職で、土日祝休み・残業ほぼゼロまでたどり着いたKさん。「軽い気持ちで相談してみて」という言葉は、実際に経験した人だからこそのリアルだね。
転職エージェントは自分のタイプ・目的別で選ぶことで成功に近づきます。以下にまとめましたので参考にしてください。


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